「働く女性」の不妊治療生活

悩む、考える、暮らすこと

シングルマザー/鍼灸師

先日、『何を怖れる―フェミニズムを生きた女たち』という映画を見ました。

1970年代の日本、ウーマン・リブを生きた女性たちが、その後、どんな人生を送っているのか。当日の様子を振り返りながら、70代の老齢期を幸せに暮らしているのか。それぞれの人生が記録されたドキュメンタリー映画(松井久子監督)でした。

 

映画の構成については、いろいろと言いたいこと募りましたが、一つ、今の私にとってのヒント、励みになったことがありました。

それは、この映画の中でもとりわけ注目されていた、田中美津さんの人生です。彼女は、当時、ゴリゴリのリブの闘志で、良くも悪くも日本社会に注目されてしまった人物でしたが、運動が下火になった70年代後半、日本を脱出してメキシコに渡ります。そこでシングルマザーとして子どもを産み育て、やがて日本に帰ってきますが、帰国後は、鍼灸師として生計を立てながら、その暮らしを送ってきました。

彼女は幼いころ、性的虐待を経験しており、「当たり前の女の人生」に違和感や疎外感をもって生きてきた人です。また虚弱な体質もあって、健康不安を抱えていました。

そんな彼女が、今、人生を振り返り、「幸せだー」と心の底から語るのです。

<虚弱体質だった私>、<シングルマザーだった私>、すべて、この社会の中では「ネガティブ」な要素と見なされることですが、その理由があったために、それを根拠として、それを逆手にとることで、人生の戦略とすることで、今の幸せを築くことができたと・・・・。今ではその経験は、彼女の幸せの布石だったということになるんでしょうね。

 

こういう人が存在しているということ、励みになりますね。

不妊に悩む今の私も、この不の経験が、将来の幸せをたどる道筋となるように・・・と願う気持ちになり、少し、前向きになりました。